ダニアレルギーの原因になるダニと症状

ダニは身近にいる害虫の一つです。虫刺されの原因になるだけでなく、布団やカーペットにいるダニはアレルギーの原因にあることもあります。

健康で安心できる生活のためにはダニ対策は必須です。

しかしひとくちに「ダニ」と言っても、実は色々な種類があります。
正しいダニ対策のためには、アレルギーの原因になっているダニを特定し、それに合わせた手段が必要になります。

◯軽い症状でも油断は禁物
アレルギーを起こすのは食べ物だけではありません。

ダニの場合、主に死骸やフンを吸い込むことで症状が発生します。
ダニアレルギーの症状には、咳やくしゃみ、かぶれなどがあります。

ハウスダストもアレルギーの原因として挙げられることもありますが、ハウスダストと呼ばれるホコリもダニの死骸やフンからなる場合が多いです。

多少の咳やくしゃみであれば我慢できる、と考える人もいるかもしれません。しかし、長期間アレルゲンに接触し続けることで、症状が悪化したり、治療が難しくなったりするケースも少なくありません。
また、免疫力の低い子どもやお年寄りなどは症状が強く出やすいです。さらに、子どものアレルギー性喘息の原因の80%はダニによるものだと言われています。

たかがダニだと言って油断は禁物です。症状を重くしないためには、早めのダニ対策が必要になります。

◯身近にいるダニとその種類
ダニは高温多湿を好む生き物で、梅雨から秋頃にかけて活発に数を増やします。大きさに多少差はあるものの、1mm以下の小さなダニが多いです。

私たちの側には色々なダニが生息しています。
食べ物につくコナダニや、動物の血を吸うイエダニ、布団に潜むヒョウヒダニ(チリダニ)などが代表的です。

様々な種類がいる中で主にアレルギーの原因となるのが、コナダニとヒョウヒダニです。

●コナダニ
名前の通り、粉のように小さなダニです。
体長は0.3~0.5mmほどで、人間の食べかすを主食とします。
小麦粉、ココアやチョコレートなどに大量発生することも多いです。使いさしの小麦粉の袋を覗き込んだら、小麦粉ではなくコナダニばかりが袋の中でうごめいていた、というケースも少なくありません。

コナダニの入った食品を食べてしまうと、強いアレルギー症状を起こすこともあります。ただし、コナダニ自体が人を刺すことはなく、直接的に害をなすのはコナダニを食べてしまったときだけです。

また、コナダニの増殖は他のダニを食べるダニを増やす原因となります。コナダニを抑えることが、他のダニの繁殖を抑えることに繋がります。

●ツメダニ
体長0.5~1mmほどのダニです。
小さな虫を食べるダニで、主食はコナダニなどのほかのダニです。

狙って人間を刺すことはありませんが、ツメダニの数が増えると誤って人間を刺してしまうことがあります。ツメダニに刺されると強いかゆみが数日、長い場合は1週間以上続きます。

●イエダニ
体長は1mmほどのダニで、動物の血を吸います。
主な宿主はネズミや鳥で、野生のネズミにはほどんとこのイエダニが規制しています。宿主が死んだイエダニが次の寄生先として人間を選ぶこともあります。

家の近くでネズミが死んだり、家の中にネズミの巣があったりすると、室内にイエダニが侵入しやすくなります。

イエダニに刺されるとツメダニと同じく強いかゆみが長期間継続します。ダニは蚊と違い同じ場所を何箇所も刺すことがあるため、刺し痕が連続していた場合はダニを疑いましょう。

イエダニの場合、かゆみ以上に注意しなければならないのが感染症です。ネズミについていたイエダニが人を刺すことで、ネズミの持っていた病気を移ることがあります。

●ヒョウヒダニ
チリダニと呼ばれることもある0.4mmほどの小さなダニです。
皮脂や皮膚片、動物の汗などを餌にする雑食のダニです。

ヒョウヒダニは1年を通して見られるダニで、布団やカーペットなどに多く生息しています。

ヒョウヒダニのフンや死骸はアレルギーの原因になります。また、これらが空中に舞い上がるとハウスダストになります。
特にフンはアレルギーの原因になりやすいです。非常に小さいため、舞い上がりやすく吸い込みやすいです。死骸よりも量も多くなりやすいです。

ヒョウヒダニは人間の汗1滴で300匹が生息できるとも言われており、一度繁殖し始めると爆発的に数を増やしてしまいます。

ヒョウヒダニによるアレルギー症状は、掃除機をかけたりこまめに清掃したりすることで一時的に抑えられます。しかし、ダニ自体を退治しなければ根本的な解決にはなりません。

◯ダニによって引き起こされるアレルギー
●アレルギー性鼻炎
ダニのほか、カビなどによって引き起こされるアレルギーで、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が出ます。
鼻づまりによって集中力が低下したり、鼻のかみ過ぎによって中耳炎などの耳の病気を引き起こしたりすることもあります

●アレルギー性結膜炎
目のかゆみや異物感、充血を起こしたり、涙や目やにが出たりします。
アレルギー性の場合、市販の目薬ではほとんど治らず、アレルギーの原因を特定し除去しなければなりません。
疲れ目でもコンタクトでも花粉症でもないのに、目がゴロゴロする場合は、ダニの可能性も考えてみましょう。

●アトピー性皮膚炎
皮膚に湿疹ができ、強いかゆみが生じます。湿疹は赤く、かくと液体が出たり、皮がむけたりします。湿疹は口や目などの粘膜周辺、耳や脇、肘の内側など皮膚の柔らかい部分にできやすいです。
症状は良くなったり悪くなったりを繰り返し、原因を特定しにくいことも多いです。

5歳までに発症するケースが殆どで、全体の過半数が乳児の内に発症すると言われています。子どもをアトピーから守るには、早い段階でダニ対策を行わなければなりません。

●喘息
ダニは喘息の原因にもなります。
喘息になると咳が頻繁に出るようになったり、症状が重くなると話すのが困難になったり、呼吸困難を起こしたりします。
特に子どもの喘息は症状が激しくなりやすく、注意が必要です。

アトピー性皮膚炎と同じく、喘息も原因を特定しにくいことが多く、治療にも時間がかかりやすいです。

◯ダニに気がついたら急いで対策
ダニの存在に気がついた場合や、ダニが原因と疑われるような症状が出た場合はすぐに対策を講じましょう。

ダニは小さな生き物で、人間が繁殖に気がつくのは十分に数を増やしてしまったあとです。その上、ダニは強い繁殖力を持つため、早急に退治をしなければあっというまに大増殖してしまいます。

また、ダニを退治する際は、全滅させなければ意味がありません。生き残りがいるとそこからまた繁殖してしまいますし、卵が残っていてもまた増えてしまいます。

ダニは高温と乾燥が苦手なため、ダニのいる布団や衣類、カーペットを高温で乾燥機にかければ死滅させることが可能です。乾燥機にかけたあと、掃除機などで吸い取れば、残った死骸やフンも除去できます。
ダニを退治したあとは、湿気が溜まりにくいように定期的に換気することと、ダニの餌を残さないようにこまめに掃除機をかけることが重要です。

たくさんの衣類や布団を一度に乾燥機にかけるのが難しいという場合は、専門業者に依頼してダニ退治をするのも一つの手段です。

◯ダニとアレルギー
家の中にいるダニは何種類か存在しますが、その中でアレルギーの原因になるのはコナダニとヒョウヒダニです。

コナダニの場合、コナダニのいる小麦粉やココアなどを食べてしまうことでアレルギーの症状が出ます。ヒョウヒダニの場合は、その死骸やフンを吸い込むことがアレルギーの原因となります。

ヒョウヒダニによって引き起こされるアレルギーには、鼻炎、結膜炎、皮膚炎、喘息などがあり、長期間アレルゲンに触れることでこれらの症状がより悪化するケースもあります。

ダニは強い繁殖力を持つため、ダニに気がついたらすぐに行動することと、退治の際は全滅させることが非常に重要です。

ダニに刺された時の対処法は?

虫刺されの中でも特に厄介なのがダニによるものです。
ダニは蚊やノミなどと比べて繁殖力が高く、あっという間に数が増えてしまいます。目視できないほど小さいことが多く、刺される前に退治するのは簡単なことではありません。
蚊であれば、外出時に肌の露出を抑えたり、虫よけを使用したりすることで被害を抑えられますが、ダニの場合は家の中でも刺される可能性があり、同じような対策は困難です。

しかも、ダニに刺された時の痒みは蚊やノミに比べて強くて長い痒みになりやすいです。運良く刺されなかったとしても、ダニの死骸・フンがアレルギーの原因となる場合もあり、非常に厄介な害虫です。
また、ダニを介した危険な感染症も数多く存在します。

今回は、ダニの種類と刺された時の対策などについて解説します。

◯ダニの種類
ひとくちに「ダニ」と言っても、全てのダニが人間に害をなす訳ではありません。

私たちが日常生活で注意すべき主なダニは、チリダニ(ヒョウヒダニ)・コナダニ・ツメダニ・イエダニ・マダニの5種類です。
このうちチリダニとコナダニは、人間を刺さないダニです。ただし、チリダニやコナダニの死骸やフンはアレルギーの原因となりえます。

人を刺すダニのうち、家の中にいるのはツメダニとイエダニです。

●ツメダニ
風通しの悪い場所や湿気ている場所など、密閉空間で増えやすいダニです。
梅雨の頃から秋にかけて被害が発生し、8月、9月はツメダニ被害のピークとなります。

ツメダニは他のダニの死骸やフンを食べて繁殖します。そのため、他のダニが増えるとツメダニも一緒に数を増やします。
基本的にはダニ死骸とフンを食べているため、積極的に人を刺そうとする虫ではありません。ただし。ツメダニの数が増えると偶然人間を刺してしまう可能性が高くなります。
ツメダニに刺されると赤く腫れたり、強い痒みが発生したりします。

●イエダニ
ネズミや鳥などに寄生するダニです。
イエダニの被害は主に夏で、5月から発生し始め、気温や湿度の上昇に伴って被害も多くなります。

イエダニの侵入はネズミを介したものがほとんどです。野生のネズミにはほぼ100%イエダニがついています。ネズミがいれば確実にイエダニがいると考えて問題ありません。
外から入ったネズミが家の中で死んだり、家の中にネズミの巣があったりすると、イエダニに刺されやすくなります。

イエダニに刺されると痒くなったり腫れたりしますが、被害はそれだけではありません。ネズミについていたイエダニに刺されることで、ネズミが持っていた病気に感染することがあるためです。特に注意の必要なダニです。

昔は家に侵入するネズミの数が多く、イエダニの被害もよくあるものでしたが、最近は住宅環境が良くなったため、どちらも数を減らしています。ただ、古い家や繁華街の近くではまだまだネズミがいる可能性があるため、ネズミとイエダニには注意しましょう。

●マダニ
ツメダニやイエダニとは違い、屋外で刺すことの多いダニです。マダニは公園や山、河川敷、庭などの草むらに生息する吸血性のダニです。

目視で確認が難しいツメダニ・イエダニとは違い、マダニは体長が3ミリから10ミリにもなる大型のダニです。血を吸うと膨れるため、これよりもさらに大きくなります。

マダニは多くの感染症の媒介となります。マダニが媒介する感染症には日本紅斑熱やライム病などがありますが、その中でも恐ろしいのが重症熱性血小板減少症候群という病気です。
マダニによる重症熱性血小板減少症候群(マダニ媒介SFTS)の主な症状は、発熱・倦怠感・消化器症状などで、致命率は国内でも20%にのぼります。

恐ろしい病気の感染源となりうるマダニですが、刺されても痒みを伴わないケースが多いため、刺されたことに気がつかない場合もあります。
草むらなどマダニのいるかもしれない場所に入ったあとは、必ずマダニに刺されていないかどうか確認しましょう。

マダニ対策には肌の露出を抑えることと、虫よけ剤の使用が有効です。
草むらに入る時は長袖長ズボンを着用し、首にはタオルを巻きましょう。袖や裾からダニが入ることのないように、袖は軍手の中に、ズボンの裾は靴下の中に入れるようにすると安心です。
虫よけ剤はディートの入ったものが有効です。庭仕事で草むらに入る時や、アウトドアで山に行く時は、肌の露出を抑え、ディートの入った忌避剤を使用しましょう。
ただし、ディートの入った忌避剤は子どもの年齢によっては使用できません。ディートが5~10%、12%のものは6ヶ月未満で使用禁止、ディート30%のものは12歳未満の子どもに使用してはいけません。

◯ダニと他の虫刺されの見分け方
ダニ以外にも、蚊やノミなども虫刺されの原因になります。他の虫刺されとダニによるものとをどのように見分けたら良いのでしょうか。

まず、マダニ以外のダニは屋内で刺されることがほとんどです。家の中で刺された場合、蚊やノミの可能性は低くなります。
次に、刺された箇所に注目しましょう。蚊やノミが刺すのは肌を露出していた場所がほとんどです。特にノミによる虫刺されは足にあることが多いです。露出していなかった場所が虫刺されにあっているようなら、ダニの可能性が高いです。
また、ダニは近くを何度も噛むことが多いため、刺されたあとが複数ある場合もダニを疑いましょう。

ダニの痒みは、蚊やノミに比べると強く長引きやすいため、強い痒みが長期間続いた場合もダニの可能性を疑うべきです。

◯ダニによる虫刺されと見分け方
●ツメダニ
ツメダニによる虫刺されは、広範囲に渡る場合が多いです。強い痒みがあり、肌の広い範囲が赤くなっていたらツメダニの可能性が高いです。
刺されるのは腕の内側や太ももなど肌の柔らかい場所が多いです。
痒みは長いと1週間以上も続きます。

痒みの発生が数時間後から2日後など遅れてくることもあるため、いつ刺されたのか、どこで刺されたのかがわかりにくいです。

●イエダニ
イエダニに刺された場合、刺された場所が赤く斑点になったり、水疱ができたりします。痒みは強く、1週間以上続きます。痒みがおさまっても刺された跡が残りやすいです。
刺されやすい場所はツメダニなどと同じく皮膚の柔らかい部分で、子どもなど皮膚の薄い人は特に刺されやすいです。

●マダニ
マダニは他のダニとは違い、強い痒みが伴わない場合が多いです。痛みもなく、刺されても気がつかないケースもあります。
刺された場所は赤く腫れるため、草むらに入ったあとはマダニに刺されていないかどうか確認するようにしましょう。腫れは翌日になって現れることもあるため、草むらに入った日だけでなく、その次の日も確認が必要です。

マダニは恐ろしい感染症を媒介することもあるため、マダニに刺されたと気がついたらすぐ皮膚科に言って医師の診察を受けてください。

マダニは大型のダニで、吸血すると大きく膨れるため、血を吸っている最中のダニを見つけることもあるかもしれません。マダニの吸血時間は長く、数時間から数日に及ぶこともあります。
しかしその場合でも、無理やりダニを取り除いたり、潰したりしてはいけません。無理に取ろうとするとマダニの口が傷口に残ってしまいます。また、マダニの体が潰れてマダニの体液が逆流してしまうとより腫れが強くなってしまう可能性があります。

マダニに刺されて皮膚科に行く場合は、いつ、どこで刺された可能性が高いかも合わせて伝えるようにしましょう。マダニの媒介する感染症には潜伏期間の長いものもあるため、受診のタイミングによっては感染が見つけにくいケースもあるためです。

◯ダニに刺された場合の対処法
マダニに刺された場合はすぐに皮膚科を受診してください。マダニと他の虫刺されの区別がつかない場合や、強い痒みが長い時間続く場合も、医療機関を受診するようにしましょう。

ツメダニやイエダニによる虫刺されで、自宅で対処する場合、まずは患部を水でよく洗いましょう。お湯を使うと痒みが強くなってしまうため、冷たい水がおすすめです。
痒くてもかきむしってはいけません。かいてしまうと、腫れがひどくなったり、肌荒れや別の感染症の原因になったりするためです。

ダニによる虫刺されの痒みには、ステロイド系の薬が有効です。ステロイド系の薬がつかえない6ヶ月未満の子どもや、薬がない場合などは、冷たい水や氷で冷やすようにしましょう。炎症を抑え、痒みを軽減できます。どうしても痒みが続いてかいてしまうといった場合や、痒みが長引く場合は迷わず皮膚科を受診してください。

◯ダニ対策
ダニに刺されてしまった場合、すぐに対策をしなければまた同じように刺されてしまう可能性が高いです。

特にツメダニやイエダニなどのダニは人間を主なターゲットとはしていません。普段は他のダニの死骸を食べたり、ネズミの血を吸ったりして生きています。人を刺すようになるのは、数が増えてしまってからです。

大量のダニは、虫刺されの原因になるだけでなく、フンや死骸がアレルギーの原因になります。家の中の環境を安全に保つには早急なダニ対策が必要です。

ダニは乾燥や高温を嫌うため、衣類や布団を乾燥機にかけるのが簡単で効果的です。新たなダニの発生を抑えるために、押入れの風通しをよくしたり、定期的に布団やカーペットなどを干したりすることも大切です。

ただし、乾燥機にかけるだけではダニの死骸を完全に除去するのは難しかったり、ものによっては乾燥機を使うのが困難だったり場合もあります。ダニ対策については専門に行っている業者もあるため、一度プロに頼むのも一つの手段です。

◯ダニに刺されたら
ダニは人を刺す虫の中でも特に小さく、刺されたから存在に気がつくことの多い虫です。また、蚊やノミと違い、家の中にいても刺される可能性があります。

家の中で人を刺す主なダニはツメダニとイエダニで、刺されると強い痒みが長期間続きます。刺された場合はむやみにかかず、患部を洗ってから薬を塗りましょう。

家の中ではなく、草むらなどに生息しているのがマダニです。マダニに刺されても痒みはありませんが、感染症を媒介することもあるため、マダニに刺されたらすぐに医療機関を受診してください。
マダニに刺されないようにするためには、肌の露出を抑え、ディートの入った虫よけ剤を使用するのが効果的です。

ツメダニ・イエダニの対策としては、まず換気と掃除が大切です。ダニは湿気を好むため、風通しを良くすることで発生を抑えられます。ツメダニは他のダニの死骸によって増えるため、ホコリを掃除することでツメダニの餌をなくすことができます。
ダニが増殖し、刺されてしまった場合は、布団や衣類などを乾燥機にかけるようにしましょう。高温と乾燥によってダニは死滅します。

ダニは目に見えにくい非常に小さな虫ですが、アレルギーや感染症の原因にもなりうる厄介者です。快適で安全な生活のためにも正しい知識を持ってダニ対策を行いましょう。

ダニ退治の基本と予防

身近な害虫の中でもダニは特に厄介な存在です。
家の中にいる害虫としては、他にもゴキブリやシロアリが挙げられますが、これらの害虫は人に直接危害を加えることはほとんどありません。
しかし、ダニは人を刺したり、死骸やフンがアレルギーの原因となったりと、不快なだけでなく危険な存在です。

今回は家庭に潜むダニを退治する方法と、ダニの発生を抑え方について解説します。

◯見えない厄介者
ダニに刺されると猛烈な痒みに襲われ、時に感染症の原因となることもあります。また、ダニの死骸やフンはアレルギーや喘息の一因となるため、ダニ対策は大切です。

しかしダニを見つけ、退治するのは簡単なことではありません。
まず体が非常に小さく、見つけにくいです。
そのうえ、繁殖力が非常に高く、あっという間に数が増えてしまいます。ダニの寿命は3~4ヶ月ですが、その間に100以上の卵を生みます。30匹のダニがいれば、3ヶ月後には1万匹に増えてもおかしくないといわれているのです。

そのため、ダニに刺されたりダニの被害にあったりしてダニの存在に気がつく頃には、既に大量のダニが発生している可能性が非常に高いです。
ダニの被害に気がついたら、徹底的に退治するだけでなく、次の増殖を抑える措置も必要になります。

◯ダニの害
ダニの害は主に次の4つです。

・食品などへの被害
・ダニに刺される
・アレルギーの原因になる
・感染症を媒介する

ダニによる虫刺されは蚊に刺された時よりも強い痒みになりやすいです。痒みが持続する期間も長く、数週間から1ヶ月続くこともあります。

また、ダニの死骸・フンはアレルギーの原因になります。アレルギーによって、皮膚炎・結膜炎・鼻炎などが引き起こされます。また、小児喘息の主な原因の一つがダニによるものだともされています。
小さい子どものいる家庭なら、ダニ対策は急務です。

そして最も恐れるべきなのが感染症です。
ダニが媒介する病気には日本紅斑熱やライム病、重症熱性血小板減少症候群などがあります。
ダニの種類によって媒介する病気は異なりますが、特に注意すべきなのはマダニです。マダニは動物のちを吸血して生きるダニで、マダニの媒介する重症熱性血小板減少症候群は致死率の高い危険な感染症です。

◯ダニが増えやすい環境
ダニが好むのは、適度に暖かくて湿気のある場所です。
具体的には、気温22~28℃、湿度60~85%が最もダニの増殖が活発になる環境です。

乾燥と極度な高温には弱く、50℃ならば数十分で、65℃なら数秒で死滅します。高温でなくとも、乾燥状態に長期間さらされるとだんだん数が減っていきます。

ダニの餌は種類によって異なりますが、主に人の皮脂や食べカス、他のダニの死骸などを餌としています。

ダニが増えやすい代表的な場所として、湿気と食べものがある布団やカーペット、ソファーなどが挙げられます。

◯ダニ対策
既に述べたように、ダニは小さく退治が困難で、存在に気がついた時には既に大量増殖している可能性が非常に高いです。
ダニの被害を抑えるには、まず今いるダニを全て退治し、その後ダニの発生がおきないように予防をすることが肝心です。

ダニ対策の基本は、高温と乾燥、そして餌となるものをなくすことです。
しかし、それをどうやって実現するかは場所によって取るべき方法が異なります。そこで今回は、ダニの発生しやすい場所別に、ダニ退治の方法と予防方法について紹介してゆきます。
今回紹介しなかった場所についても、熱と乾燥によってダニを殺し、その後乾燥と掃除によってダニを予防するというのは同じです。

また、ダニ対策のグッズなども色々と販売されていますが、使い方やダニの種類によっては効果が低くなることもあります。使用前にしっかりと説明書きを読み、その上で使用しましょう。

◯布団・カーペットのダニ
●退治方法
布団もカーペットもダニのいる場所としてよく挙げられるポイントです。

布団やカーペットのダニ対策としては、天日干ししたり、掃除機をかけたりなどがよく行われています。しかし、この2つだけでは不十分です。
確かに日に当てれば乾燥によってダニの数は減りますが、それでも3割ほどしか減りません。太陽の熱で死ぬダニもいますが、繊維の奥にいるダニまでは退治できません。掃除機の場合も同様で、奥に入り込んだダニまでは吸いきれません。

布団やカーペットにいるダニを手っ取り早く退治する方法は、乾燥機にかけることです。ダニや50~65℃以上の熱にさらされると死ぬため、高温乾燥機に数十分かければ布団やカーペットの中のダニを全て死滅させることが可能です。
コインランドリーには布団などの大型のものを入れられる乾燥機がおいてあります。

乾燥機でダニを死滅させたら、掃除機をかけてダニの死骸を取り除いて完了です。

●予防方法
ダニが好む湿気を取り除き、餌となるものをなくすのが基本です。

まず定期的に天日干しをし、布団やカーペットを乾燥させましょう。天日干しの際に、強く叩いてはいけません。繊維の中にあるダニの死骸や卵が飛び散り、ダニの繁殖範囲を広げてしまう恐れがあります。また、布団を叩きすぎると繊維が傷つき、布団自体の寿命を縮めてしまいます。

天日干しのあとは掃除機をかけ、表面に付着したホコリや皮脂、食べかすなどを取り除きます。子どもが小さく食べこぼしの多い家庭や、食卓近くのカーペットはこまめに掃除機をかけるようにしましょう。

ダニの発生しにくい素材や加工をされた布団・カーペットを選ぶのも非常に有効です。カーペットの場合、カットタイプよりもループタイプの方がおすすめです。毛が寝てしまいにくく、ダニの発生が抑えやすいです。

◯ソファーのダニ
●退治方法
布団・カーペットと同じく、ソファーはダニが多くなりやすい場所です。上で寝転んだり、ものを食べたりすることも多く、ダニの餌がたくさんあります。

ソファーのダニ退治は簡単ではありません。布団よりも厚みがあるため、内部に湿気が溜まりやすく、ダニも増えやすいです。

布団のように乾燥機に入れることはできないため、熱でダニを殺すためにスチームアイロンを使用します。ただし、スチームアイロンを使用すると中に湿気が溜まってしまいます。そのままにするとダニやカビの原因になりうるため、アイロンを使ったあとにはドライヤーで徹底的に乾燥させてください。

●予防方法
ダニに餌を与えないことが大切です。定期的に掃除機をかけ、食べこぼし・皮脂を取り除きましょう。
ソファーと壁・家具の間に隙間を開け、風通しを良くしておくのも有効です。

ソファーのダニ予防は布団・カーペットに比べるとずっと難しいです。兎にも角にもこまめな掃除が書かせません。

革やアクリルのソファーは比較的ダニが発生しにくいのですが、それでも汚れているとダニが住み着く原因になります。また、革のソファーにはスチームアイロンが使いにくいため、ダニが一度発生してしまうと退治がより困難になるという欠点もあります。

◯たんす・衣装ケース・クローゼットのダニ
●退治方法
たんすや衣装ケースには洗ったあとの服をしまうため、基本的にダニの餌が少ないです。しかし、季節ものの衣類などあまり開けることのない場所の場合、湿気が溜まってダニが増殖する可能性があります。

こうした場所でダニを見つけた場合、まずはそこにしまわれていた衣類を全て洗濯しましょう。その後、高温乾燥機にかければ、衣服についたダニは全て退治できます。
引き出しの内部もキレイに掃除をして、ホコリや繊維のクズを除去します。引き出しが完全に乾いてから服を戻せば完了です。

●予防法
たんすや衣装ケース内でダニが繁殖する主な原因は湿気です。
長期間使わない衣類でも、定期的に風を通すなどしましょう。乾燥剤を使うのも有効です。あわせてダニに効果のある防虫剤も使用すれば、ダニ対策はバッチリです。

◯畳のダニ
●退治方法
畳に発生したダニ退治は大変です。

畳は干してしまうと変色するため、天日干しはできません。当然乾燥機に入れることもできませんし、薬剤を使用したダニ退治も困難です。掃除機で表面のダニを吸うことはできますが、内部のダニまで吸い出すことはできません。

ダニの数が少ないうちであれば、ソファー同様スチームアイロンで退治できます。アイロンを使う際は、畳を焦がさないように気をつけるようにしましょう。
ダニの数がごく少数であるようなら、畳の下に乾燥剤や防虫剤を敷くことでダニを抑えられる場合もあります。

しかし、ダニが大量に繁殖してしまったら業者に高温乾燥処理を依頼するか、畳ごと変えてしまうほかありません。

●予防法
実のところ、最近の畳は昔のものほどダニが繁殖しません。

畳といえばい草だと思っている人も多いのですが、特にマンションなどの畳はい草以外の素材でつくられているものが非常に多いです。
こうした畳はダニが繁殖しにくいため、古い畳を使っているようならダニが繁殖しづらい畳に変えてしまうのが一番です。
また、い草の畳であっても、最近は熱処理などでダニの発生が抑えられています。

ダニがつきにくい素材を選んだ上で、掃除機をかけて表面のゴミを取り除き、定期的に部屋の換気を行えば、畳でダニが繁殖する恐れはほとんどありません。
畳のある部屋でダニ被害にあった場合、すぐにダニを疑う人も多いのですが、本当の原因は他にあるケースも多いです。

◯掃除機のダニ
ダニの繁殖場所で盲点になりやすいのが掃除機の中です。

布団やカーペットに掃除機をかけたあと、ごみや汚れを残したまま掃除機を放置すると、フィルターの中でダニが増えてしまうことがあります。掃除機の中は適度に暖かく、ダニの餌となる食べかすや皮脂もいっぱいです。

掃除機をかけたあとはフィルターを交換したり、清掃したりして、掃除機の中でダニを増やしてしまうことのないように心がけましょう。

◯ネズミとダニ
ダニの中には、ネズミや鳥などに寄生しているものもいます。

野生のネズミにはほぼ確実にイエダニというダニが住み着いています。ダニに規制されたネズミが家の中で死んだり、ネズミの巣が家の中にあったりすると、イエダニにかまれる原因になります。

イエダニは血を吸うダニで、ネズミの持つ感染症を媒介することもあります。もし死んだネズミを見つけても、素手でさわってはいけません。
死んだネズミ一匹であれば掃除できますが、万が一ネズミが家に巣を作ってしまった場合は専門業者に駆除を依頼してください。ネズミを毒餌で殺すだけではダニの駆除はできません。ネズミの死体も一つ残らず片付けなければならず、素人には難しいです。

古い住宅や繁華街の近くでは、ネズミによるダニ被害にも注意しましょう。

◯ダニ対策のまとめ
ダニは虫刺されやアレルギーの原因となり、時には感染症を媒介する危険な存在です。しかし、体が小さいため侵入に気がつくことは難しく、虫刺されなどの被害にあって初めてダニの存在に気がつくというケースも多いです。
ダニ対策の基本は、まず今いるダニを退治し、その後予防策を取ることです。

ダニは湿気のある環境を好み、ダニの死骸や皮脂、食べかすなどを餌にしています。極度な高温・乾燥にさらされると死んでしまうため、高温乾燥機にかければ簡単に死滅させることができます。ダニを退治したら、掃除機などで死骸を取り除けば完了です。
あとはこまめな掃除でダニの餌をなくし、換気などで湿気をこもらせないようにすればダニが再び繁殖することもなくなります。