「旗竿地」のメリット・デメリット

「旗竿地」というのは特殊な形状をした土地の呼び方の一つです。
周辺の土地に比べて安いことが多く、都市部や便利なエリアでも比較的低価格で土地を購入することができます。

今回は旗竿地の特徴とメリット・デメリット、購入時のポイントなどを説明してゆきます。

◯旗竿地はなぜできる?
旗竿地とは奥まった敷地本体と、道路に続く細長い敷地によって構成される土地のことです。旗とそれを支える棹のような形に見えるため、このように呼ばれています。敷地延長を省略して「敷延」と呼ばれることもあります。

土地を区画に分ける際、道路に面さない土地が真ん中に生じてしまいことがあります。
しかし、建築基準法では、最低でも2mは道路に接していなければ住宅を建てることができません。そこで、道路まで敷地を伸ばし、道路から離れた敷地でも有効活用できるように工夫しているのです。
旗竿地は、広い敷地面積が取りにくい密集地で多く見られます。

◯旗竿地のメリット
最大のメリットは、何よりも価格が安いこと。
周辺の土地相場と比較すると、2割から3割程度安いことが多いです。

道路から奥まっているため、車などの騒音に悩まされにくいにもメリットです。
他の住宅が壁になり、交通量の多い道路の近くでも、思いのほか静かに過ごせます。

変わった形の土地であるため、家を建てにくいようにも感じますが、活用法次第では過ごしやすい住まいにすることが可能です。
住宅の大きさは、建ぺい率や容積率などの制約を受けますが、旗竿地の場合、細い部分の土地も計算に含みます。奥の敷地本体を限界まで活用して住宅を造ることができます。

◯デメリット
旗竿地の細い通路部分の敷地は狭すぎて、基本的に家は建てられません。
駐車スペースとされることが多いのですが、軽乗用車でも横幅は1.5m近くあります。仮に道路と接している部分の長さが2mとすると、人の通るスペースは50cmしか残りません。

また、旗竿地の性質上、住宅の周囲が建物で囲まれてしまっています。日当たりや風通しに問題を抱えていることも多いです。隣家の騒音や人目も気になりやすいため、窓の位置を工夫したり、リビングなどの生活スペースを2階にしたりするなどの工夫が求められます。

また、道路から離れているため、玄関や窓などが人目に晒されにくく、防犯面の心配もあります。

◯旗竿地購入時のポイント
新築の住宅を建てるために旗竿地を購入する際に、絶対に注意しなければならないポイントがあります。

前に述べたように、建築基準法で家を建てる際には最低2m以上道路に接していなければなりません。古い住宅の中には、この基準を満たしていない物件もあります。こうした物件を購入しても、建て替えはできません。
条例によってこの条件が厳しく設定されていることもあるため、その自治体の基準があるかどうか必ず確認しましょう。

また、建物が3階建て以上の場合は道路に4m以上接していることが条件になります。狭い土地を活用するために3階建てを検討している人は注意が必要です。

◯旗竿地はお得か
旗竿地の魅力は安いことですが、新築を建てる場合、割高になる可能性もあります。
敷地本体が奥まっているため重機が入れにくく、工事がしづらくなるためです。重機の代わりに人力で行う工事が増えると、それだけ費用もかさみます。
また、電気や水道、ガスなどのライフラインを引き込む距離も長くなります。これも工事費が高くなる原因になります。
本当に旗竿地がお得になるのかどうか、購入前に専門家に相談しておくようにしましょう。

また、周囲に比べると安いことの多い旗竿地ですが、交通の便が良いなど便利な立地の場合、それほど安くなりません。人気エリアの旗竿地を買うよりも、同じ広さで形の良い郊外の土地の方が安いことも十分にあります。
特に都市部で土地探しをする際は、エリアを絞りすぎず、広い範囲を候補にしたほうがいい物件に巡り会える可能性が高いです。

売ることを考慮した場合も、旗竿地は不利です。
一生住むと考えて購入した住宅でも、やむを得ず手放さなければならない事情ができるかもしれません。
人気エリアであれば旗竿地でも売却しやすいですが、郊外となると厳しくなります。

◯旗竿地を上手に活用するためには
建売住宅の場合、旗竿地でもそれほど難しくありません。
建物ができあがっているため工事費がかさむ心配もありませんし、周りの建物との距離感や日当たり・風通しの状況もつかみやすいです。

注文住宅のために旗竿地を購入する際は、計画性を必要とします。その土地が建てたい家の条件を満たしているかどうかを確認し、その土地にあった住宅を考える必要があります。
上手に活用できれば、安くて住みよい住宅になりますが、下手を打つと、お金がかかった割に不便で住みにくい住宅になってしまいます。

旗竿地で失敗しないためには、購入する前に、プロに相談してプランを立ててもらうことが大切です。
ハウスメーカーの中には、規格から外れた住宅を苦手とするところもあるため、柔軟な設計や狭小住宅など、特殊な形状の土地にも対応できる依頼先の選定が重要となります。